彼の影
「頭の中ではいつでも見ていた 影は
幼い頃見ていた 夢のように笑ってくれていた
瞳は 映さない 現実というものをすべて
奥へ その果てはもっと暗い海泳ぐ
誰か教えてよ
生まれたそのわけを」
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彼の影とは「あの頃の憧れ」
10代~20代半ばの思い描いていた理想の姿、形、場所など
それはもっと幼い頃に見た夢と同じように
とても輝いていてまぶしいものだ
とおもっていたが
それは現実を見ることを避けていたからだ。
本当の彼の影とは「現在の彼自身」だから。
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10代の頃は死ぬことや生きることなんかについてを
必死に考えていた。
なぜ自分は生まれてきたのだろう
という難題こそが永遠の課題である
なんて思ったりしていた
子供なりの哲学したかったわけだが。
自分にとってそういう事がかっこよかったんだな。
美しくもあった。
それが悩みや葛藤、孤独への憧れなんかに繋がっていき
やれ創作をしようだとか
歌ってみようだとか。
大人になってみると案外この答えは「日常」であったりして。
生きるか死ぬか
なんて考える暇もなく
生きるために必要なものだけを考えるようになる。
あれほど嫌った「つまらない大人」を
まんまとやっているのだから
ウラヤマシイと思う
あの頃の気持ちにはもう一生戻ることはないからだ。
shin naito